光と静寂のつむぎかた akikoインタビュー10月25日に蔭凉寺お迎えする日本を代表するジャズボーカリストakikoさんに、昨年メールでテキストインタビューをお願いしました。akikoさんの紡がれる言葉はとても丁寧で示唆に富み、その音楽と同様に、柔らかく、透明で、なのにしっかりと芯がある。優しく寄り添ってくれるものでした。折に触れそのの言葉を思い出してしまうほどに。今年もピアニスト林正樹さんとお招きできるのがとても嬉しいです。一年前のインタビューですが、akikoさんの言葉をどうぞお楽しみください。そしてお二人の温かなライブに、秋の深まる蔭凉寺へどうぞお越しくださいね。(ライブ情報は最後に記載しています)2020.10.19 14:58
すうこと、はくこと、うたうこと。1ルーシー・ウッドワード インタビュー昨年、チャーリー・ハンター&ルーシー・ウッドワードとしてのデビュー作「ミュージック!ミュージック!ミュージック!」を発表。来月には同ユニットとして初来日、2月11日には岡山蔭凉寺公演を控えるルーシー・ウッドワードに来日直前インタビューを敢行! ソウルフルでパワフルな歌声から、とってもチャーミングなルーシーの深いお話を、ご堪能ください!インタビュー・文 = Fumiye Oomori通訳・翻訳=Yusaku Yoshimura協力 = MOCLOUD MUSIC/ Seiichiro Matsunaga2020.01.25 05:22
孤独が生んだ美しき世界 パブロ・エスティガリビア インタビューアルゼンチンの若き至宝。そんな風に評されることもあるタンゴ界の若きマエストロとのインタビューがかなった場所は7月のブルックリン。警報が出るほどの熱波が到来していたある日、私〈サウボナミュージック 姉〉はNY名物とも言える地下鉄の遅れにあって、約束時間に大幅に遅れる始末。ただでさえ通訳なしのインタビューで緊張してるところ、駅からのダッシュで比喩ではなく鼓動が高まってのスタートとなりました。初めまして、のパブロさん。声も表情もとても柔らか。タンゴという音楽の本質をわかりやすく伝えてくれました若きマエストロのお話をどうぞお楽しみください。2019.09.11 11:52
混ざり合い、そして生まれるものジャック・シュワルツバルト インタビュー (サックスプレイヤー/Jam Kaプロデューサー/Berklee College of Music教授)2019.08.16 19:20
新しいリズムを探して 12019年、私たちサウボナ・ミュージックにとってもビッグプロジェクトの一つ、小沼ようすけさんのJam Kaカルテットがついについに岡山にやってきます。そうと決まればお話をお伺いするしかない!2019年7月時点での最新作、「Jam Ka 2.5」でさらに進化した小沼さんの音の世界観の原点にあるというグアドループの音楽との出会いってどんなものだったのか。はたまた、今、世界が熱い視線を送るフレンチカリブのミュージシャンたちのこと、クレオールジャズのことなど伺ってきました。2019年2月、井上銘さんとのライブの翌日。興奮も冷めあらぬ中インタビュースタートです! 2019.07.19 14:53
サナエさんの音楽の旅 2岡山でも有数の進学校に進んだ中学時代の友人が自分の基礎になっていると言うサナエさん。ネットも無い当時、どうやって自分たちの音楽の世界を広げていったのか。そして、その後のジャズとの出会い。音楽と歌うことに没頭するサナエさんの旅は続きます。コジマサナエ(以下、コ)あとは(新しい音楽を知る上で)有難かったのは周りの音楽マニアの男子たちによるとこが大きい。なんでも知っててレコードもいっぱい持ってるような男子。私はもっぱらラジオを録音して「これカッコよかった、これもカッコよかった」ってそう言う子に聴かせると、その子が気に入ったらレコードを買ってくる。さらに好きになると、彼はそのミュージシャンが気になってくるから色々調べるわけ。「だれの影響があるんじゃろう」とか。それを今度は教えてくれる。当時は今みたいにネットもないから、本。ロッキンオン、渋谷陽一さんのインタビューやラジオなんかを漁っとった。中学生なのに渋谷陽一のトークライブがあれば行くし、レコード屋に行けば店員さんに聴く。みんな自分の体を使ってどんどん情報を集めるからすごい肥やしになるわけ。それを熱弁するんよ(笑)。「あれがかっこええんじゃ!」「あの4曲目がすごい!!」とか(笑)その情熱を受けて音を聴くと、「ウォーーー!!」ってなるじゃん。それでまた広がっていく(笑)だからあの頃の周りにいた男子たちのおかげかなって思う。サウボナ(以下、サ ) サナエさんがいたのは県内でも有数の進学校だったからインテリの文化系の男子たちの居場所がちゃんとあったんでしょうね。部活男子やヤンキーだけじゃなくて。そう言う環境も恵まれてたのかもしれませんね。コ そうじゃな。環境はあるかもな。ヤンキーだけじゃなくて、インテリ文化系もかっこいいって言うのはあったから、そうかもしれん。そうやって小中学高時代に音楽をシェアしていた友達で、高校やめて東京でプロのDJとしてバリバリやっていた子が今、岡山に帰ってきとって、今でも私のイベントでDJしてくれとる。ケンちゃんって言うんじゃけど、彼がある意味、私の先生じゃったんよ(笑)。レッドツェッペリンのドラムのジョン・ボーナムが死んだ時に「コーダ」って言うアルバムが出たんじゃけど、ケンちゃんに自慢するために、周りの誰よりも早く買って「ケンちゃん、私これ買ったよ、これめっちゃええけえ聴いて!」って(笑)「これが好きなんじゃったら、こんなんもええよ」って教えてくれて(笑)いまだにそうなんよ、何気なく「サナエちゃん、これ知っとる?」ってリンク送ってきてくれたりする(笑)。それを見て、「今度ライブでやろう…」って。ただ同じことやるんじゃなくて、自分たちも何か、「健ちゃんをビックリさせてやろう」ってアレンジを変えてみたり工夫して、そんなことばっかり考えてみたり(笑)サ 中学時代にラジオやロッキンオンからの情報を「おい、これ知ってる?」って言うやりとりと同じ感じ。コ そう!大人になっても同じ!!(笑)ジャズを知るより先に、知ったことサ ジャズとの出会いはどういうものでした?コ ロックのバンドをやっていたんじゃけど、大学入ってからジャズ研に入ったのがきっかけかな。そのころはみんなから笑われるくらい何もわかってなくて。ごりごりのジャズをやる先輩に、その頃ボーカルがいなかったので、「じゃあサナエちゃん、定期演奏会で歌って」とかって入れられて。先輩たちも、自分がジャズも何も知らない初心者だから気を使ってくれて、ゴリゴリのじゃなくてラテンビートにしてみるか、とかやってくれるんじゃけど、基本は4ビート。私は何も知らないから8ビートで頭を振って歌ってたっていう…。そういう映像が残ってるのをついこの前、先輩たちから見せられた(笑)「新しいけど恥ずかしい!!」って。ロックの衣装で、金髪で、ジャラジャラつけて歌っとるんよなあ。恥ずかしくなかったんかな(笑)まあ、みんな笑いながらも受け止めてくれとったからやれてたんじゃろうな。そのころは全然ジャズというものをわかってなかったから、「こんな雰囲気?」みたいな感じで思ってたからなぁ。でも誰からも、「そんなのジャズじゃねえ!」っていう先輩はいなかった。大学外での音楽の仕事では厳しくも優しくも「そんなのはジャズじゃ無い、スウィングしてない」って言われることはあったけど。でも「じゃけん何なん?」って思っとった。私、性格悪かったんかな(笑)サ (笑)コ でも、その後、アメリカ滞在から東京に戻った時に、私の師匠って思っている人なんじゃけど、ギタリストの廣木光一さんに出会うんよ。廣木さんはそんなことを一言も言わずして音で気づかせてくれるというか…。廣木さんは言葉でも伝えてくれるんじゃけど、私、言葉ではつい反抗してしまう所があるんよ。「それは違うと思います!」って。普通なら見捨てられてもいいくらいなんじゃけど。サ 当時でもすごくキャリアのある方ですよね??コ そう。でも諦めないっていうのかな、「次はいつ演る?」って。なんなら私にとっては神様みたいな凄いメンバーが揃うバンドに私をヴォーカルで誘ってくれたり。だから私にとって「ジャズがなんなのか」っていうことより先に「ジャズっていう音楽は人間の愛でつくるもんなんだ」ってことが入っちゃった感じ。サ へえー!泣きそうです(笑)コ 「なんでこの人はこういう(大きな)人なんだろう?」「なんでこんな(素晴らしい)音楽がこの人の身体から発せられるんだろう?」とかって考えるようになって。そしたら、「ここでこいうふうにやるから、こういうことを本当に伝えたいから、この人は日夜努力を続けてるんだな」ってことが分かってきて、「もっともっと基本のところに私は戻らなきゃ」って。日頃の自分の教えているボイストレーニングのクラスで「声を鳴らす」ということをいちばん大切にしているんだけど、ほんの少し前まで気づいてなくて。そうやって廣木さんや尊敬する先輩たちが「なんでこの人たちはこんなに素敵なんだろう?人間としてすごいんだろう?」「なんでこの人たちの発する音楽も素敵なんだろう?」って思った時に気づいたの。揺るがない、ここ(胸に手を当てて)があるからなんだなって思ったんよな。楽器を鳴らすことであったり、ジャズというものを徹底的に掘り下げてきたってことであり、レジェンドたちの音楽を徹底的に分析して、自分の血と肉にする作業をしてきた人だからこそ、自分と向き合うことで人間としても音楽家としても学んできて、だからこんなに素敵な音楽を鳴らすことができるようになったんだって。だからこんな私とでも最高の音楽を作っていってくれる人なんだって分かったの。いろんなヒトをいろんな角度で見れるヒトたちというか。「知ること」は後ろ盾を得ることサ 当時のサナエさんはおいくつくらいですか?コ 最初にあったのは17、8くらいかな。廣木さんは多分、11くらい上なんじゃ無いかな?サ ずいぶんお若いですね!コ 廣木さんはデビューが早かったからね。すごい独自の音楽スタイルがあるよ、廣木さんは。サ でもその裏っかわにはジャズの歴史や伝統や先人たちの蓄積してきたものがあるんですね。コ 歴史や伝統を自分のスタイルに昇華してる人。で、自分も実際やってみたんよな。まあ、廣木さんたちには及ばんけど、自分なりにやり始めたというか。すると自分の壁にぶち当たる、その繰り返しなんよな(笑)あの人たちはこんな経験を何百回、何千回と乗り越えたんじゃな!って思った。2019.03.15 12:36
サナエさんと音楽の旅 1ジャズだけじゃなく、20代のダンサーをバックにR&Bを歌い、果てはロックまで。まさにジャンルレスに活動するシンガー、コジマサナエさん。「音楽は旅のようなもの」そう語るサナエさんはどんな旅をしてきたのか、ジャズを歌うってどう言うことなのかお話を伺ってきましたー!2019.03.01 23:24
鉄工所の犬、魚屋の猫 坂田明インタビュー2インタビューには前日グッゲンハイム邸で坂田さんとライブをされた中島吏英さんも同席してくださいました。坂田さんの音楽、言葉、哲学的な話から化学、生物学、そして命の尊厳の話まで。思わずメモが取りたくなるくらい面白い話が続きます。北極星に向かって生きてる!なんて言葉、そうそう出会えませんよ。冴え渡る坂田さんのお話、一大パノラマをどうぞお楽しみください。惑わされるから目を閉じる2019.02.17 15:02
鉄工所の犬、魚屋の猫 坂田明インタビュー12月のある晴れた土曜日。キラキラ光る須磨の海を横目に少し緊張してサウボナ姉弟がお迎えに上がったのは神戸グッゲンハイム邸。ど新米オーガナイザーが日本を代表するサックスプレイヤーの坂田明さんにインタビュー。まったくどうなることかと思いましたが、始まってみると終わるのが惜しくなるくらいあっという間の2時間!まるで名人の落語のように縦横無尽に繰り広げられる坂田さんのお話で、音楽ともっと気楽に、そしてもっと仲良く。どうぞお楽しみください。いつかは終わる。安心して面白がって見てりゃいんだよサウボナ:ツアー中のお忙しい中、お時間を作っていただいてありがとうございます。今日はよろしくお願いいたします。早速ですが、一般的にフリージャズって難解でとっつきにくいようなイメージもあると思っています。今回のARASHIの岡山蔭凉寺公演ではぜひジャズや音楽にもあまり詳しくないんだ、という方にも足を運んでもらえたら、と思ってるんですが…。坂田さん(以下敬称略):生の演奏の場合は特に、俺が言っているのは、「みなさんこれは電車の窓から見える風景と同じですよ」と。風景に意味を考える人がいますか?こんな風に山を削ったらこうなるんだ、とかね。それはあるかも知んない。でも普通風景って言ったら、ただはーキレイだな、とかすげぇ風景だな!って思う。で、この風景の意味が分からん!そんな人はいない。で、電車は必ず止まるんだよ。サウボナ:いつかは終わる?坂田:そう。いつかは終わる。だから安心して乗ってなさい。というのが俺の一つの考え方。サウボナ:でも電車って転覆することだってありますよ?笑坂田:そラァ、まあ、残念だったね、ってこと笑例えば鉄工所の犬、魚屋の猫。鉄工所の犬はあのガンガラガンガラっていう騒音の中で寝てる。そりゃなんでだってこと。慣れればなんてことないってこと笑魚屋の猫。いつも泥棒する猫だって腹一杯だったら全然関係ないって顔で魚屋で寝てるわけだよ。ね?慣れて普通になっちゃえば寝れるんだよ。子供なんかフリージャズ聴きながら寝てるよ。そういうことなんだよ。ものを考えている大人が大混乱して「これなんだろうか?ああこんなもの聴いてられない、サヨナラ!なんてさ。そうじゃないんだよ。面白がって見てりゃいんだよ。っていう側面が音楽にはあるんですよ。人が住むところには風景があり、音楽は風景と共にある2019.02.15 19:30
魔術師について教えてください。まだまだ前のライブのレポートも残っているのに、みなさんにお知らせしないといけないのが、何と言っても公演日も迫ってきているオマール・ソーサのこと。「キューバの至宝」、「鍵盤の魔術師」と、とにかくイカつい枕詞がつくオマールさんですが、具体的にはどこが、どうすごいのか?くわしい人(優しい人でもある)に聞いてみよう!ということで、いつものごとく、知識はほぼゼロの状態で飛び込んできました。しっかりと受け止めてくれた方は、大阪を拠点に活動中のパーカッショニスト、亀崎ひろしさん。亀崎さんはキューバでアフリカ起源の様々なパーカッションの修行をされていただけあって、私たちが聞き馴染みのない言葉や、習慣についてもすごくわかりやすく、丁寧に教えてくださいました。そして、これがとっても面白い!鍵盤の魔術師のすごさがなんとなく明らかにできればいいなあ!とせつに願いながら、インタビュースタートです。ー よろしくお願いします!亀崎ひろし(以下、亀) よろしくお願いします。ー では、まずは亀崎さんのプロフィールを教えていただけますか?亀 大阪でパーカッショニストをやっています。12年ほど前、キューバにパーカッションを習いに行って、その後もニューヨークやメキシコシティに習いに行ってました。今は関西を中心に演奏活動したり、録音に参加したり、パーカッションのレッスンをしています。ー なるほど。ありがとうございます。なぜキューバを選ばれたんですか?亀 もともとアフリカン・パーカッションが好きで有名なジャンベっていう太鼓をやっていたんです。そこから南米のアフロルーツの音楽にも、アフロキューバンにも興味が湧いてきて、それを生で体感したい!って思って。最初にキューバに行ったのは2006年に大阪のベースプレイヤーの山田さんという方と、ダンサーのトモコさんという方が企画したツアーで下見的に連れて行ってもらったのが最初ですね。そのあと、2008年に自分一人で1年弱、10ヶ月ほど滞在してました。ー その間はパーカッションの師匠について学ばれたんですか?亀 そうですね。ひとことにパーカッションって言っても色々な楽器があるので、各楽器のスペシャリストがたくさんいるので、各楽器の先生について、楽器ごとに教えてもらう形ですね。コンガだったら、コンガ。ティンバレスはティンバレス。バタだったらバタという感じでそれぞれの師匠について教えてもらっていました。いまだに家族ぐるみのおつきあいが有りますよ。ー なるほどー!ちなみに、今回のオマール・ソーサの公演でも機材リストに「バタ」というものが入ってました。私たちは聞き慣れない楽器なんですが、キューバではポピュラーな楽器なんですか? 2018.10.01 21:44
音楽との会話 小沼ようすけ インタビュー1 ジーン・ジャクソン、トニー・モナコと続いたインタビューも遂に大トリ、小沼さん登場です。 ツアーファイナルのブルーノート東京も終えて、いろんな方の感想をSNSで拝見したり、実際の言葉で伝えてくださったり、を見聞きしてると、ついつい熱いものが込み上げてきます。今回、ブルーノート東京でのヘッドライナーという一つのピークを迎えたともいえる彼らのツアー直前のお話。もうこの時点で最高の結果は見えていたような気がします。気になる内容はトニーさんとジーンさんとの関係性。伝統をつなぐこと。音楽について。片意地はらず、自然に語る小沼さんはすごく素敵でした。今回もお茶でも飲みながら、最後までゆっくりとお付き合いください。2018.09.30 09:37