サナエさんと音楽の旅 1


ジャズだけじゃなく、20代のダンサーをバックにR&Bを歌い、果てはロックまで。まさにジャンルレスに活動するシンガー、コジマサナエさん。

「音楽は旅のようなもの」

そう語るサナエさんはどんな旅をしてきたのか、ジャズを歌うってどう言うことなのかお話を伺ってきましたー!


音楽との出会い

サウボナ(以下、サ) 今日はありがとうございます。早速なんですが、皆さんに聞いているんですが、サナエさんと音楽との出会いはどんなものだったんですか?


コジマサナエ(以下、コ) そうじゃな、おばあちゃんが琴の先生じゃったから、小さい時から音楽が溢れとる家じゃったんよ。父も母も歌が好きで、家で掃除するとき、レコードが爆音でかかるんが掃除の合図になっとった。


サ どんなレコードだったんですか?


コ いろいろあったよ(笑)父はレコードだけじゃなくて、ラジオとかでもジミヘンがかかったら大音量にしたりして。それが聞こえてきたら、子供達は「あぁ…掃除の時間じゃ…」って。そんな感じでいつも音楽があったからなぁ。

あとは当時のヒット曲。私たちの時代は小柳ルミ子とかを親たちが歌うのを聞いて自然に覚えるじゃん。ちょっと上手に歌えるようになるとおばあちゃんがそれを喜んで、スーパーとかでお友達とかに会うと「サナエちゃん、あんた上手じゃから歌って」って。それで小さい子供が『格子戸を〜』って歌うと周りに人が集まってきて「ウワーッ!」てなって、いい気になりょったんよ(笑)あとはバスの中とかさ。昔はそう言うのがあったんよ。


サ 孫が可愛くて、色んな人にお披露目してたんでしょうね(笑)


コ 「うちの子、上手なんよー」って。「顔はブサイクじゃけど、歌は上手いんよー」って(笑)


サ じゃあ、街なかで人前に出て歌う経験はその頃からあったんですね(笑)


コ (人前で歌うことは)楽しいことって思っとったよ。だから上手になろうっておもっとった。私も、私の下の妹もそうじゃったな。


「好きになってもいい」

サ 最初に影響を受けた音楽ってどんなものでしたか?


コ おばあちゃんがラジオで聴いてたら流れてきたらしんじゃけど、ジャニスジョプリン。

「サナエ!この人すげえよ!!今すぐレコード買ってこられえ!」「なんでえ!これ!」って教えてくれたん。後で思えばサマータイムじゃったん。お小遣いくれて、レコード買いに走ったん。小学生くらいじゃったかな。


サ おばあちゃん、かっこいい!!


コ かっこよかったよー。変わった人じゃった…


サ 普段は日本の古典的な音楽を演奏されてるのにすごい感性ですね!


コ 聞くのは色んなもの聴いとったから。あと、小学生の頃ラジオでミニー・リパートンの「ラヴィング・ユー」を聴いてからずっと練習しとったから、それをおばあちゃんは聴いてて、「この子は英語の音楽が好きなんじゃわ」っておもっとったんじゃろうな。

だから、サイモンとガーファンクルの「ミセスロビンソン」もおばあちゃんが教えてくれた。「なんか、ええ曲歌よったよ!」って。


サ 現在のシンガー「コジマサナエ」の基礎を作ったのはおばあちゃんによるところが大きそうですね。


コ そうだね。好きな音楽を見つける手助けをしてくれたのはおばあちゃんだと思う。

「これ好きになってもいいんだ」って思えたから。「こんなの聞きなさい」「こんなの聴いたらだめ」って言うのはなかったから。


つづく


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