音楽との会話 ジーン・ジャクソン インタビュー1

(翻訳:Noriko Honda)

 

公演も迫る8月の終わり、重い腰をあげて、かねてから企画していたインタビューをお願いしたところ、指定されたのはなんとジーンさんのご自宅!?

そもそも音楽関係の仕事でもなんでも無い、ただの音楽好きの姉弟が世界的に名の通ったプロのミュージシャンにインタビューだなんて!素人って怖い!!

考え出したらきりがないほどの不安要素には一旦目をつむり、姉弟そろってえいやっ!っと飛び込んできました。いざ蓋を開けてみたら、話題は音楽の本質、表現や芸術について、JAZZの伝統、トニー・モナコ、小沼ようすけとのトリオ、はたまた大好きなコーヒーまで。トータル3時間に及ぶロングインタビューに。

うまくまとまるかどうかも分かりませんが、最後まで読むとジーンさんのことと音楽が好きになる。そんな記事になればなと。少し長くなるかも知れませんがコーヒーやお茶など飲みながらでも、ゆったりお付き合いくださいね。




音楽との出会い

ー この様な機会をいただいてありがとうございます。

ジーン・ジャクソン(以下、ジ)こちらこそ。ありがとうございます。

ー まずはジーンさんと音楽との出会いを聞かせてください。  

 僕は養子だったんだけど、6歳の時に養母を亡くしてしまったんだ。養父である父は働かなくちゃいけなかったから、昼間は近所のベビーシッターに預けられてた。その人の孫がドラマーで、いつもそばで遊んでいた。演奏をそばで観ていて「すげー!かっこいい!!」って見とれていたよ。 彼の母親は当時、サン・ラ 【*1】 のマネージャーと付き合っていて、子供達をライブに連れて行ってくれて、あんまりはっきりとは覚えてないけど、僕はサン・ラのライブでウワー!って踊り狂ってたらしいんだ。 生まれ育ったフィラデルフィアという街はとても音学的にもクリエイティブだし、黒人にとってデトロイトやフィラデルフィアで育っていることが既に音楽との出会いであって、そこから既に音楽の旅が始ってるってことだからね。それが僕の音楽との出会いかな。 

 プロになろうと思ったのはいつですか? 

 バークリー在学中からずっとボストンの色々な所でプレイしていた。 

初めてのメジャーなアーティストとの共演は先生だったアラン・ドーソンの代わりにアート・ファーマーと共演したのが始まりだよ。 

あと、当時、ルームメイトだったブランフォード・マルサリスがNYに旅をして戻ってきた後に世界中のアーティスト達から電話がかかってきたり有名になっていく様子を見たり、話を聞いたりしているうちにとても刺激を受けたんだ。「チョウ、オモシロイ!」ってね。 

その後、友人のドラマーのジェフ・テインワッツやシンガーのレノラ・ヘルムからギタリストのケビン・ユーバンクスとのギグに誘ってもらって、NYでプロとして定期的に彼と活動するようになったんだ。


音楽の本質、愛と誠実さ 


 私たち姉弟はジャズはとっても好きですけど知識はないんです。もちろんプレイヤーでもないし、楽譜もコードもわかりません。私達のような知識のないリスナーがジャズを聴くことをどう思いますか?

 知識があろうとなかろうと、聴いてくれる人には愛と誠実さを感じ取ってほしい。音楽とその2つは切っても切れない本質的な要素だから。

 知識がないと何か取りこぼしてしまうんじゃないかと思ってしまうんですが、そんなことはない?

 そんなことは「マァ、イッカ!」でしょう(笑)問題ないよ。

もちろん、知識を掘り下げて深く楽しむことは素敵なことだし、とても有意義なことだけど、知識がなくても「ゼンゼンダイジョウブ」だよ。 聴いた時になにか受け取ってくれたり、純粋にエンジョイしてくれることの方が大事だと思う。

そのこと以外、例えばテクニカルな知識なんかは余分なことだから。


 ではエンジョイするために、リスナーは何をすればいいと思いますか?

 うーん、人によるとは思うんだけど…、例えば…。

日本では多くのリスナーがスタンダードって言われるような聴いたことのある曲を聴きたがる。

ヨーロッパでもよく演奏するんだけど、逆にスタンダードはウケないんだ。

誰かが既に表現したものじゃなくて、そのアーティストじゃないと表現できない、聴いたことのない新しいものを聴かせてくれって人が多い。その点では日本に比べてヨーロッパのオーディエンスの方がより深くジャズを楽しんでいると言えるかもね。だって、アートというものはアーティスト自身がどんな風に世界を表現するかって事だから。 日本のプロモーターやオーディエンスが求めるものは、名曲をどんな風にリメイクするかって事なのかもしれないね。もちろんそれはそれで良いんだけど。

もしリスナーに期待することがあるとすれば、「鏡のような存在のアーティストがどんなふうに世界を映すのか」を興味を持ってみてほしい。

 (長くなってしまったけど翻訳するのは)ダイジョウブ?チョットナガイ?、ゴメンネ【*2】

 ではジーンさんは今、どんなものを表現したいと思ってますか?

 絵描きであれ、文筆家であれ、アーティストはその人の人生すべてを反映してる。好きなものも嫌いなものも、僕の人生をつくるすべてを反映したいと思うね。 

(内容が濃い〜くなってきたので次回へつづく)







編集者注:

【*1】1950年代から活躍したJAZZプレイヤーであり詩人、思想家、預言者。自らを土星人と公言した。P-FUNKやEW&Fなど後のブラックミュージックに大きな影響を与えたとされる

【*2】応答が長くなってしまい、通訳のノリコさんを気遣う優しいジーンさん。

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